一 家庭教師用・お子さんと接するに当たってのポリシー

1 最も大切なこと

最も大切なことは、家庭教師が、合格させることへの強い信念を持ち、お子さんにも合格への信念を持ってもらうことです。

(1) 合格することへの強い信念、勝つことへの強い信念の重要性

最後の最後まであきらめずに全力で頑張る人が、無理といわれた勝負で勝つことが多くあること、これに対して、実力があっても漫然とした心理状態の人が勝負の最後の最後に競り負けることが多いこと、は家庭教師の皆さんもご経験があると思います。
最後まであきらめず、勝利をつかむ人は、勝利への強い信念を持っています。

(2) 家庭教師を頼むご家庭の方々の心理と私たちの心がけること

家庭教師をお願いするご家庭は、塾などでは効果がでず、親御さんもお子さんも自信をなくしていることが多いです。私たち家庭教師を最後の希望としてお願いしています。
このお気持ちを絶対に無にしてはいけません。私たちはお子さんの将来を左右する立場にあるのです。このことを決して忘れずに、まず先生方が「絶対に合格させる」という信念を持って取り組んでください。

(3) 初回の家庭教師授業でお子さんに必ず伝えるべきこと

お子さんに合格したいか問えば、「合格したい」と答えます。しかし、合格できると思うかと問えば「無理と思う」とか「自信がない」とかの答えがきます。
私たち家庭教師は、①お子さんの現在のそのような気持ちを肯定した上で、②合格させるという信念と、自分の家庭教師として果たすべき役割、を自分の言葉でしっかりと語り、まず、お子さんに安心感を与えなければなりません。
たとえば、
「今はまだそういう気持ちなのが当たり前だよね。
でも、あなたは『合格したい』という気持ちを持っている。それが一番大事なんだ。
先生はあなたの『合格したい』という気持ちを絶対に無にしない。
一緒に頑張って、わからないことをどんどんなくしていって、あなたに自信と実力をつけていく。そして、あなたを必ず合格させる。
だから、あなたも、『合格したい』という気持ちを毎日もっと強くして『絶対に合格したい』という気持ちになってほしい。その気持ちがあなたを受験前日まで頑張らせ、大事な受験本番でもあなたの背中を押して頑張らせて、合格させる力になるから。」

2 家庭教師授業で心がけること

(1) 生徒さん目線で接し、信頼関係を築く

① 家庭教師の第一歩は、生徒さんと信頼関係を築くこと

家庭教師が大教室の先生と異なるのは、ただ一人の生徒さんの合格のために、生徒さん目線で接し、生徒さんだけの弱点を把握し、これを修正でき、ただ一人の生徒さんの実力を大教室の生徒とは比較にならないほど効率的に伸ばせる点です。
このような家庭教師の生徒さんにとっての利点を最大限に発揮するためには、生徒さん一人ひとりの目線に立ち、たとえ他人から見て簡単でもお子さんが理解できないことがあることや、一度聞いてもすぐに忘れること、自主学習をしたくないこと、を許容し、この生徒さんだけの弱点や弱さに寄り添う姿勢を持ち続けること、すなわち、信頼関係を形成することが大前提になります。

② 生徒さんは、先生と信頼関係を築けるか、測っています

生徒さんとの会話で優位に立とうなどと考えず、常に寛容の姿勢を保ってください。多くの生徒さんは、最初の頃、先生が自分とうまくやっていけるか、先生の人格を測っています。うまくやっていける(信頼関係を築ける)ことを示すためにも、生徒さんの立場に立つことを忘れないでください。

③ 信頼関係形成のため、質問し、生徒さん目線で答えの論理を追い、ほめてから修正

信頼関係は、授業内容を通じて形成してください。

授業で生徒さんに質問をして、生徒さんがそれに答えたら、それをじっくり聞き、たとえ間違っていても、生徒さん目線に立ち、生徒さんの論理を追い、その正しい部分をほめて、生徒さんのプラス思考を保ってください(生徒さんの敵には絶対にならないでください)。そして、間違っている部分を必要以上に強調せず、これを修正するような質問を考えて、生徒さん自ら間違いに気づき、修正する方向に導いてください。生徒さんがうまく修正できたら、心からほめてください。この繰り返しにより、生徒さんは、必ず先生を信頼するようになります。できるだけ早く生徒さんとの信頼関係を築いてください。
なお、たとえ信頼関係が形成されても、それに安心して、マイナス思考につながる発言をしてはいけません。不注意な一言で信頼関係が一気に崩れることがあります。

(2) 合格したいという気持ちを維持してもらい、不安感を払拭することの必要性

特に、最初のころ、生徒さんは、合格できないのでないかという不安を常時抱えています。この不安に心が支配されると、「どうせ自分なんか勉強しても無駄」と考え、頑張らなくなってしまいます。
なので、このような不安を、家庭教師がいつも吹き飛ばさなければいけません。

① 不安感を払拭するために生徒さんが答えられる質問をしてほめる

私たちの授業では、考える力を鍛えるために、また、授業に乗せるために、1コマに30以上の生徒さんが答えられる質問をすることになっていますね。
これを、生徒さんに自信をつけ、不安感を払拭する絶好の機会としてください。生徒さんのすべての答えにほめるべきところを見つけて、「〇〇高校に行った人でもこの時期にこれ答えられた人はほとんどいない」とか、一言「お見事!」でも「いいね」でもよいですから必ずほめるように心がけてください。生徒さんは先生にほめられることにより、大きな安心感を持ちます。これを不安感を払拭するための大きな武器にしてください。
なお、知識を問う質問は、答えられないときに生徒さんが落ち込んでしまいやすいので、正面から知識を聞くときには、生徒さんの実力に応じて、どのような知識を聞くべきかよく注意して、なるべく答えられるような質問にしてしてください。
そして、生徒さんが間違って答えたときにも、どこか良いところを見つけ必ずほめるように心がけてください。

② 生徒さんを不安にさせる言葉を口にしない

生徒さんを不安にしたり否定する言葉(たとえば「もっと勉強しないと合格できない」など)は厳禁です。

③ 身近なゴールを設定し、到達したらほめる

人はゴールが見えると頑張れるものです。しかし、合格というゴールは遠く、見えにくいものです。そこで、授業中は、身近なゴールを頻繁に設定し、それに到達したら生徒さんをほめてください。

 

3 特に直前期に心がけること

(1) 生徒さんの不安心理と、家庭教師の役割

直前期になると、これまで先生方が生徒さんに自信をつけてきたにもかかわらず、生徒さんは不合格になるのでないかと不安な心理を持ち始めます。家庭教師はここで生徒さんの不安感を払拭することが、非常に大事になってきます。不安感をうまく払拭すると、生徒さんは、試験まで全力で駆け抜けることができるのです。

(2) 直前期の魔法の言葉「大丈夫」

① この時期になると、生徒さんは、「頑張って」という言葉に拒否反応を示すようになります。試験のプレッシャーのせいか、「もう十分頑張ってるんですけど、これ以上頑張れというつもりですか?無理です!」のような心理状態になるようです。
この時期になったら、できるだけ「頑張って」という言葉は避けてください。
② これに対して、「大丈夫」という言葉は、多くの生徒さんに大きな安心感を与えます。魔法の言葉といってよいほどの効果があります。この言葉は、直前期には多用してください。
③ なお、これは言うまでもないことですが、できるだけ2週間前にはすべての学習を終えて、2週間は新しいことはせず、総復習に専念してください。新しいことをやると、プレッシャーで押しつぶされて、本来の実力を出せない生徒さんが出てきます。何度もやったことを最後に繰り返し、「あなたは大丈夫。本来の実力を出せば合格できる。あなたのできない問題は、他人もできない。そんな問題は気にしなくて良い。大丈夫」とお子さんに自信を与え続けてください。

 

二 家庭教師用・親御さんと接するに当たってのポリシー

1 親御さんへの敬意を忘れない

親御さんは、お子さんの将来をある意味握っている家庭教師に対して、非常に丁寧な態度で接してくることが一般です。しかし、それは、お子さんのためなのです。
それにもかかわらず、人間としての経験・視野が狭いと、自分が偉くなったと勘違いして、偉そうにするのが当たり前だと思う家庭教師が他社にはいます。
私たちは、親御さんがなぜ私たちに丁寧に接しているのかを良く考え、それをわきまえて、人生経験の豊富な親御さんに対して敬意を持って接しなければなりません。
これは絶対のルールです。

2 親子関係についての相談にのるにあたってはお子さんとの信頼関係を損なわないように気をつける

(1) 親子関係についての相談の機会

親御さんの中には、思春期のお子さんとの人間関係に悩む方が多くいらっしゃいます。その原因はさまざまです。
家庭教師は多くの親子関係を見る機会があり、また、家庭教師授業でお子さんとコミュニケーションをもつ過程でお子さんの本音を聞く機会もあると思います。そのため、親御さんから両者を知る第三者としての意見を問われることもままあります。そのときには、お子さんとの信頼関係を損なわないように注意しながら、親子の関係を良くするためのアドバイスをしてあげてください。親子関係の改善は、お子さんの成功につながります。
以下には一般的な悩みについて、その原因と、一般的な解決策を示した代表の著作から引用します。しかし、これはあくまでも親御さんの悩みの一例に過ぎません。

(2) 子供の成長と自我の形成に対応できない多数の親の存在

①(子供の成長に対応できない親の存在)

子供の成長に応じて「親なのだから」と強権的・懲罰的になるべき場合が減っていくこと、子供の自主性を尊重すべき場合が増えていくこと、を認めることがなかなかできない親御さんが多くいらっしゃいますお子さんが生まれたときから一生懸命に子育てに取り組んできた親御さんほど、その傾向があるのかもしれません。

②(そのような親に対する子供の反応)

年々成長する子供は、子供の成長を受け入れる準備のできていない親を、「自分の前に立ちはだかる乗り越えるべき壁」と考えてしまいます。
そうなると、子供は、それまで親に依存していたのが、一転して無意識に親を敵とみなすようになり、勝つためにいちいち親の言動に反発するようになってしまいます。

③(親としてできる対策)

子供が成長し、親を追い越していくのは親の望むところですが、多くの親にとって、生まれたときから大切に育てた子供との信頼関係を、敵対関係に変化させたくはないと思います。
そうならないために、親としては、子供の成長に応じて、その自主性を尊重し、一人の人格をもつ人として扱うべき場合が増えてきたことを認めなければいけません、また、認めていることを子供との会話に表すことが大事でしょう。加えて、親として自分が完璧であることを演じるべき場合が減ってきていることも認め、いわゆる「上から目線」で話す場合を減らしていくべきでしょう。親である自分の意見はあくまで一つの意見に過ぎないと割り切り、それに子供が賛同しなくても感情を高ぶらせてはいけないのです。

だからといって、子供がいきなり自分の手を離れたなどと考える必要はないと思います。
まだまだ社会経験が少なく、親御さんの助けを必要とすることがたくさんあります。
子供を一人の人格を持つ人間として扱う一方で、子供を最も大事に思う人生の先輩として、子供と話し合って、一緒に道を切り開いてくことが必要なのだと思います。

「乗り越えるべき壁」ではなく「同じ方向を向いて共同で人生の課題を解決する先輩」になってください。

 

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