以下のような雰囲気です。
教師:「パイレーツオブカリビアンって映画見たことある?」
生徒:「ありますよ。海賊ジャックスパロウがタコのお化けとなんかしたりいろんなとこに行ったりする映画ですよね」
教師:「それそれ、そこで魔法のコンパスっていうか羅針盤出てくるでしょ?」
生徒:「ジャックスパロウの大事にしてるやつでみんなが狙ってるやつですよね。」
教師:「そうそれ。羅針盤って実際の歴史でも大事なんだけどさ。どんな役に立つと思う?」
生徒:「東西南北がわかりますよね。ジャックのはわからないらしいけど。」
教師:「そう、その通り。ジャックのじゃない羅針盤が1400年代くらいに広まって、それを利用してスペインとかポルトガルとか、世界中に進出する大航海時代っていうのになったんだ。天気が悪くて星が見えなくてもどこへでも迷わずにいけるようになったんだね。
そして、彼らの進出にあたって重要なのが鉄砲とキリスト教なんだ。鉄砲の日本への伝来は1542年とか43年とかいろいろ言われているから覚えなくていいけど、どこの国の船がどこに漂着したかについては覚えといて。」
生徒:「はい、ポルトガルの船が種子島に漂着したのがきっかけでしょ?」
教師:「すげ!じゃあキリスト教は誰が何年に伝えた?」
生徒:「ザビエルって教科書に絵が乗ってる人が、何年でしたっけ?」
教師:「教科書の絵を覚えてるって、メッチャいいことだよね。うちの親父の頭もザビエルだけど、それはどうでも良くて、以後良く(1549)拝もうで、1549年だよね。じゃあ、織田信長って、キリスト教をどう扱ったと思う?」
生徒:「織田信長って、長篠の戦でしたっけ?で鉄砲を使うとかして、新しいものを採り入れるのがうまかったから、自分が信者になるかは別として、うまく利用したんじゃないかと・・・」
教師:「ちょっとすごすぎ!長篠の戦がぱっとでてくるって・・・そうなんだよね。織田信長って、それまでの既得権益、たとえば前からその商売をしていて他の人たちを入れないみたいなのを嫌って、誰でも商売できるようにしたり、それなんていうか知ってる?」
生徒:「楽市楽座」
教師:「ちょっと歴史の知識レベルすごくね?話元に戻すと、織田信長って、そういう人だから、それまでの日本で既得権益持ってた宗教って、なんだと思う?」
生徒:「仏教ですよね」
教師:「そう、お見事。仏教の勢力に対抗するためにキリスト教を使ったんだよね。ところで、ピサロって知ってる?」
生徒:「ドラクエの魔族の王ですか?」
教師:「ナイス!って歴史の中ではどう?」
生徒:「ちょっと良くわかんないです。」
教師:「教科書にでてこないからわかんなくてぜんぜんいいんだよ。そのピサロって、スペイン人で大航海時代に南米のインカ帝国の王を殺したりして結局インカ帝国を滅ぼしたちょっと残念な人なんだけど、その時に鉄砲とキリスト教を使ったってのが有名なのね。鉄砲はわかりやすいけど、キリスト教については、たぶん、『キリスト教っておまいらが信じてる宗教よりもすげぇんだから、これを拝めば天国にいけて、その神様はおまいらの王よりも偉いんだ』みたいな。キリスト教の宣教師の人たちがそういうこと意図してたとは考えられないけど、ピサロは多分そういう風に利用したんだろうね。だとしたら、日本でキリスト教が流行るのを放置したら偉い人たちはどう考える?」
生徒:「偉い人たちからしたらヤバイですよね。偉い人よりもキリスト教の神のほうが偉いと思ったら、みんな偉い人に従わなくなるかもって考えますよね。」
教師:「すごいね~!その通り!じゃあ、織田信長は仏教の対抗勢力としてキリスト教を利用したけどその死後天下を取った豊臣秀吉とか徳川家康はキリスト教に対してどういう態度だったと思う?」
生徒:「話の流れからすれば、キリスト教に否定的だったということになりそうですよね。」
教師:「その通り!もう仏教勢力も支配下におさめたし、否定的だったんだよね。でも、いつの間にかキリスト教は熱狂的な信者が増えて流行っていくんだ。それで三代将軍徳川家光って人の時にね」
(以下、続く)
※ この授業では、受験期にあるお子さんの小学6年生1学期~2学期の歴史の復習も兼ねて、戦国時代の権力者たちが、大航海時代とともに日本にもやってきたキリスト教とどのように向き合ってきたか、そして、最終的に日本の支配者の支配をおびやかす、キリスト教の蔓延を防ぐために鎖国するしかなかった流れを、できるだけ楽しく考えることができるように工夫しています。
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